葉酸は、別名「ビタミンB9」や「ビタミンM」と言われる栄養素で、ビタミンB群の中の1つです。ホウレン草の葉に多く含まれることから、葉酸の名称がついたと言われています。
葉酸には体の粘膜の強化や赤血球の合成を助ける効果、さらに細胞分裂や核酸(DNA情報)の結合を助ける効果があり、妊活中のカップルにとって、女性だけでなく男性にも必要不可欠な栄養素とされています。
お腹の中で赤ちゃんが育っていく女性にとって葉酸が重要なのは、おそらく想像しやすいんじゃないか思います。胎児の時期というのは、急速に細胞分裂が繰り返されるわけですからね。
では、どうして男性にとっても葉酸は重要な栄養素なんでしょうか?
男性にとっても葉酸が重要な理由
繰り返しになっちゃいますが、葉酸には細胞分裂や核酸の結合を助ける効果があります。この効果は、男性の精子にとっても非常に重要なんです。
精子も、細胞分裂により作られます。この細胞分裂がしっかり行われていないと、精子の中に含まれる染色体に異常が発生してしまうことがあり、赤ちゃんに障害が発生してしまう場合があります。
葉酸は、この精子を作る時の細胞分裂も助け、精子に含まれる染色体に異常が発生する可能性を低くしてくれる効果があります。結果、健康な精子、健康な赤ちゃんをつくる助けになってくれるんです。
葉酸が不足すると、どうなる
妊活中の男性・女性に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という赤ちゃんの障害の原因になるといわれています。
これには、「二分脊椎」という背骨・脊椎の障害や、「無脳症」という脳が形成されない障害があります。「二分脊椎」の場合は治療で生存できる場合がありますが、「無脳症」の赤ちゃんは生存することができません。
これらの症状は、男性・女性どちらの染色体異常でも起こり得ます。日本では、出生した赤ちゃん10,000人中約6人の割合で発生していると言われています。
葉酸で障害を100%防ぐことはできませんが、それでも、必要量の葉酸の摂取を妊娠前から続けることでこれらの障害のリスクを減らすことができます。
1日に必要な葉酸の摂取量
厚労省は、妊娠を計画している女性に対し、1日あたり400μgの葉酸の摂取を奨励しています。
男性の場合は、1日あたり240μgと女性と比べると少なめ。その代わり、男性は精子の生成に3ヶ月程度の時間を要するので、妊活前のより早い段階から葉酸の摂取を始めることが勧められています。
葉酸が多く含まれる食品と摂取の難点
葉酸は、ホウレン草や緑黄色野菜、レバーなどに多く含まれる栄養素です。
ただし、葉酸は、
・ 水に溶けやすい
・ 熱で壊れやすい
という難点があります。つまり、食材を調理すると失われやすいということ。
レバーを生で食べるのは論外ですし、ホウレン草やブロッコリーなどの野菜も生で食べるのはかなり大変です。毎日ウニやイクラを食べるのは経済的にも大変、というか葉酸は摂れても痛風になる可能性が高いでしょう。
こういった要因もあり、葉酸はサプリメントでの摂取が推奨されている栄養素です。
おすすめの葉酸サプリは、別記事で紹介しています。